メディア掲載

「AERA」『寄り添い』から生まれるハラスメント 掲載

2021年4月5日発売のAERAに記事が掲載されました。テーマは「『寄り添い』から生まれるハラスメント」。記事はオンラインでも公開されています。

今年2月に開催されたグリーンルーペ主催のセミナー「寄り添いってなんだろう」の中で、僕はテーマに迷ったあげく「寄り添いハラスメント」と題して、いつも美談に隠れてあまり語られることのない、がん患者を取り巻く社会的つながりの中でのハラスメントについてお話しすることにしました。

昨年もお世話になった、文筆家の荒川龍さんから記事化のご相談をいただいたとき、正直かなり悩みました。「寄り添いハラスメント」という言葉のインパクトが強く、寄り添おうとすることのリスクやマイナス面のみが強調されて伝わってしまう可能性があったから。周りの皆さんが寄り添おうとしてくれる気持ちは本当に嬉しいのです。テーマ設定上、その感謝の部分をお伝えできなかったのが何とももどかしい。どうか患者さんに対して「そんなに面倒なら関わらん方がええやん」と思わないでください。

「この人なんなん?!笑ってスルーしとこ」と、患者さんも周囲の方も互いを想っているのにすれ違ってしまうのは本当に残念すぎる。なので敢えて今回「寄り添おうとする気持ちや行動が、場合によっては逆に相手を傷つけることもある」という普段、中々気付かれない側面にフォーカスしました。“すれ違いをなくし、誰もがお互いを諦めないでいい社会にしたい“それが取材を受けた思いです。

「寄り添い」とは百人いれば百通りある答えのないテーマ。でも考え続けなければいけない。誌面には僕にとっての寄り添うためのポイント的なことも書いてありますが、あくまで僕がそう思っているだけで、違和感を感じる方も多くいらっしゃることと存じます。この記事が、生きづらさを抱えた人とのコミュニケーションについて、日頃、がん患者さんに接する人も、そうじゃない人も、自分ごととして考えるきっかけになればと願っています。
とりあえず、患者さんに「池江さん凄いね!努力は必ず報われる!!あなたも絶対克服できる!!!」とかホンマに言わないでくださいね!(笑)セミナーでその辺にも触れてます。

セミナーでご一緒させていただいた清水 研先生、厚坊 浩史先生、轟 浩美さん、花木 裕介さん。根気強く答えのない議論に付き合い記事にしてくださった荒川 龍さん。面倒くさい僕にいつも寄り添ってくださる皆さま。本当にありがとうございます。